ユダヤ人とは誰のことか①
イスラエル・パレスチナ問題を語る時、必ず登場するのが「ユダヤ人」と言う言葉。ドイツ人によるユダヤ人の迫害だとか、アメリカのユダヤ人勢力が・・・とか、何かと耳にする機会は多い。(え、アメリカのユダヤ人てどう言う意味?アメリカ人じゃないの?と思った君、その疑問は正しい。)
なんとなく羊を飼っていそうで、なんとなく石油に関係していそうで、僕たち日本人にはなんとなく掴めないユダヤ人。彼らは一体何者なんだろうか。
今日は僕たちが「ユダヤ人」と呼んでいる人々について、一緒に勉強しよう。
ユダヤ人=ユダヤ教を信仰する人々
通常、僕たちは国家と人を結びつけて「◯◯人」と言っているよね。アメリカ人、日本人、ドイツ人、イギリス人・・・まず国家があって、そしてそこに国籍があるひとをその国の人と言う意味で◯◯人と呼んでいる。例えば日本国籍を持っている人のことを日本人と呼んでいるように。でもこの世に「ユダヤ」と言う国は存在しない。じゃぁ僕たちは誰のことを指して「ユダヤ人」と呼んでいるのだろうか。ユダヤ人とはそもそも誰のことなんだろうか。
ユダヤ人とは、「ユダヤ教を信じている人」を意味している。つまり「ユダヤ教徒」のことだ。僕にとってみればこれはとても不思議な話だ。だって、それがアリなのだとしたら、キリスト教徒のことをキリスト人って呼んだっていいし、仏教徒のことは仏教人と呼ぶべきではないのか。でも実際には僕たちはキリスト教徒はあくまでもキリスト教徒だし、仏教徒は仏教徒なのだ。仏教人という構図で考えられることはまずない。
ユダヤ民族の始まり
ユダヤ人と切っても切り離せないのがユダヤ民族。ユダヤ人の始まりはユダヤ民族にあると言われているんだ。旧約聖書にも登場するアブラハムという男の生涯と、ユダヤ民族の始まりを簡単に見ていこう。
・アブラハムという男
ユダヤ民族はアブラハムという一人の男から始まったと言われている。彼は、簡単に言うと、カナンの地(現在のイスラエルのあたり)に移住してきた最初の人である。旧約聖書に寄れば神からの啓示を受けてこの土地にやって来たと言われている。
・彼の二人の息子
彼には二人の息子がいた。名前を、イシュマエルとイサクという。
イシュマエルは彼の妾ハガルの子、そしてイサクは妻サラとの間の子である。アブラハムの妻、サラは、高齢になるまでイサクをみごもらなかったため、他の女性に産ませた息子がイシュマエルである。話によれば、サラがイサクを身籠った時、すでに90歳だったとか・・・。
正妻であるサラが彼の子供を授かったことで、この2者の関係が悪くなり、ハガルは家を出て行くこととなった。後にこのイシュマエルの子孫がアラブ人と呼ばれるように、そしてサラの息子、イサクの子孫がユダヤ民族になったと言われている。
彼は後に神の声を再び聞くことになる。そこで彼は神から「自分の息子イサクを、生贄として捧げるように」と言われる。彼は思い悩んだが、結局息子を殺して生贄にする決断をする。まさに彼がナイフを息子に突き刺そうとしたその時、神が彼を止めたんだ。
神は彼の信仰を試すために試練を与えたと言い、そして彼の信仰を認めた神は、彼にその土地と民の平穏を約束する。これが今日までユダヤ教の教えとして信じられているわけだ。
ちなみにアブラハムは175歳まで生きたとか・・・一体どうなってるんだ・・
ユダヤ教とはどんな宗教か
ユダヤ人=ユダヤ教を信じる人ということだということはすでにお話したところだ。そのユダヤ教とはどんな宗教なのだろうか?詳しい慣習や教え等は別のページで解説するとして、まずこれだけ抑えて置いて欲しい。
ということ。モーセという預言者から神から十戒というお告げを受けるところから始まり、唯一神ヤハウェを信仰している。これらのストーリーが描かれているのが世に言う旧約聖書だ。キリスト誕生以前のことが描かれていると言われていて、キリスト誕生以降のものを新約聖書と呼ぶ。この旧約聖書のみを経典にしているものがユダヤ教だ。新約聖書を信じる人がキリスト教、そして、旧約・新約を元に預言者ムハンマドによって作られたのが、イスラム教と言うわけだ。
詳しくはこちらの記事で解説している。⇩
さて、ここまでユダヤ人とその始まりについて話をしてきたけれど、
今回はこのへんで。
続きは「ユダヤ人とは誰のことか②」で。ユダヤ教について解説します。
今日も読んでくれてありがとう。
僕たちはまだセカイを何も知らない。
マケイヌ